国税庁は6月16日、平成19年度(平成19年4月〜20年3月)の査察の概要を公表した。
これによると、平成19年度における査察の着手件数は220件、処理件数は218件、このうち検察庁に告発した件数は158件(告発率は72.5%)となった。
また、脱税額は353億円、1件当たり1億6,200万円となり、このうち告発分は約309億円、告発1件当たり1億9,500万円となり、いずれも前年を上回った。告発件数を税目別に見てみると、所得税が57件(前年度比・2件減)、法人税が62件(前年度比・16件減)、消費税が30件(前年度比・7件増)などとなった。
消費税の告発件数は毎年増加の一途をたどっている。告発件数の多い業種は、上から順に、商品・株式取引(21件)、鉱物・金属材料卸(15件)、人材派遣業(14件)、不動産業(10件)などとなっている。
近年の貯蓄から投資への流れを反映し、商品・株式取引に関連する脱税が増加しているが、中でも外国為替証拠金取引(FX取引)による利益の除外については当局も監視姿勢を強めている。主な脱税の手口としては、売上除外、架空経費の計上などが見られたほか、海外取引に関連した脱税、更には稼いだ所得を全く申告しない脱税なども見受けられた。
脱税によって得た利益の多くは、現預金又は外国為替証拠金として所有・管理されていたほか、高級外車や金地金の購入、あるいは関係会社等への貸付金などに充てられていた。なお、脱税によって得た簿外資産については、第三者名義トランクルームに保管しその鍵を鉄道模型の中に隠匿していたり(現金)、電話台下の収納箱(金地金)や居宅室外の鉄製ゴミ箱(現金)などに隠匿していたケースがあった。